本ページでは『激闘!ソロモン海戦史DX』旧パッケージ版の発売時に掲載したコラムを掲載しています。
キャンペーンシナリオの攻略について記載しておりますので、プレイの参考になさって下さい。


キャンペーンについて
どうも最近、「なかなかキャンペーンで勝てない」との意見を目にする。
第1ステージはまあ、勝てる様だが第2ステージでレーダー搭載艦が出て来ると苦戦し第3ステージで米海軍の新型戦艦が出て来るともういけないらしい。
ここで多くのプレイヤーが投げ出す。
何度やっても第3ステージの海戦で勝てないのである。
そりゃそうだ。
順当にゲームを進めると第3ステージにはワシントンとノースカロライナがやってくる。
これに対し日本海軍が第3ステージに投入できる戦艦は金剛と榛名だけだ。
だが金剛や榛名で新型戦艦と撃ち合うのはどだい無理なのである。

第3ステージで敗北しキャンペーンでの勝利を諦める現象を「第3ステージ症候群」と名付けているがそれではどうしたら良いか?
答えは簡単!
勝てるだけの兵力が整うまでは戦わなけりゃ良いのだ。
第3ターンで部隊を出撃させなくても南部マップで敗退しないだけの陸軍兵力バランスを1、2ステージのうちに整えておくのが最善の策だが中部ソロモンまで下がってしまうのも手である。
だいたいその為にキャンペーンでは南部、中部、北部の3マップが用意されているのだ。
北部まで失ってしまうとゲームエンドとなるので問題だが南部、中部は状況によってはあっさり退いてしまおう。
なおこのゲームでは南部、中部で退いてしまう事は「陸軍を見殺しにする事」を意味しない。
一時的に戦線が後退する事は「ケ号作戦」に代表される撤収行動と捉えている。
無理して南部マップで頑張る必要なぞないのだ。
だらだらと消耗戦を繰り返すよりも一旦後退して陣容を整え決戦に勝利した後、奪回作戦に移るのが肝要と言えよう。
史実に於いてもガダルカナルの戦いで一木支隊、川口支隊、第2師団、第38師団と増援を繰り返し最終的に大敗北を遂げたが第2師団の投入以前にガダルカナル決戦を諦め「地の利」のあった中部、北部ソロモンを固め機会を見て奪回作戦を展開した方がずっと良かった様に思う。

さてキャンペーンの展開であるが新型戦艦ワシントン、ノースカロライナによって編成された米海軍第6戦艦戦隊に対抗できるのは戦艦大和、陸奥からなる第1戦隊か戦艦長門、山城、扶桑からなる第2戦隊のいずれかであろう。
第1戦隊が投入できるのは第5ステージ、第2戦隊なら第4ステージだがどちらを選ぶかは戦局とプレイヤーの好み次第と言える。
まず第1ステージで勝利をおさめヘンダーソン飛行場に1発でも対地射撃で撃ち込むか1ポイントでも陸上部隊兵力を増強する事が重要だ。
たった1発の砲弾が1ステージの「時間差」を生み出すのである。
続く第2ステージで激戦にもつれこむか退いてしまうかについては前記の「第1戦隊か第2戦隊か?」と言う判断が大きく影響しよう。
主力の戦艦部隊が到着する前に北部マップを失う訳にはいかないのだから。
また折角、主力の戦艦部隊が到着しても前路哨戒の駆逐艦部隊が壊滅していては勝利は望めない。
レーダーを搭載していない日本戦艦で米海軍新型戦艦を撃ち沈めるには多数の駆逐艦を必要とするのである。
そして戦艦部隊と水雷戦隊を「同時に増援要請」する訳にはいかないのだ。
ダラダラと戦いを続けてはならない。
消耗戦を繰り返せばいずれ負ける。
「決戦をいつ、どこで行うか?」を自分なりに設定しそれに合わせて戦いを押し進めるのが重要だ。
来るべき決戦には「万全の態勢」で臨んでもらいたい。
なお「どうしても第1ステージも勝てない」と言う方には「第1、2ステージの出撃はすべて諦め第3ステージに金剛、榛名をもって北部ソロモンで雌雄を決する」と言う作戦をお勧めする。
如何に米海軍新型戦艦にはかなわない金剛、榛名と言えども巡洋艦相手なら「鳥無き里のコウモリ」だ。
圧倒的な火力を発揮するであろう。
いや、これは金剛型を過小評価して書いているのではない。
元来、英海軍のフィッシャー提督は「戦艦とは戦わず巡洋艦を撃滅する為」に巡洋戦艦を立案したのだ。
なお3式弾を搭載していけばエンプレスオーガスタ飛行場を第3ステージ中に撃滅する事もさして困難ではない。
だが問題はその後だ。
「米新型戦艦がでてきてからどう戦うか?」を考えるとあまりお勧めできるプランではないのである。
あくまで「第1ステージで負け続けるよりはマシ」なだけの話だと言えよう。

大口径砲について
一口に大艦巨砲主義と言っても国によっていささか捉え方が異なる。
大口径砲を搭載した戦艦を主力として考える事を一般に「大艦巨砲主義」と呼ぶようだが果して巨砲とは何か?
口径さえ大きければ良いのか?
砲身長は?
口径は少々小さくとも門数が多い方が良いのではないか?
様々な考え方がある。
それでは各国別に大艦巨砲主義の捉え方を検証して見よう。
まず敵に大口径弾を命中させて敵を撃滅するのが戦艦の任務であるのだから命中率は高いにこした事はない。
これは各国すべて共通だ。
そして命中率を向上させる為には「弾道の安定化」や「散布界の縮小化」、「射撃指揮装置の性能向上化」、「照準装置の性能向上化」、「訓練による練度の向上化」など様々な方策があり各国とも競いあって命中率の向上に務めた。
上に挙げた諸方策のうちどれを優先させるかは国によってだいぶ異なっていたが今回はそれを問わない。
話が長くなるからだ。

次にくるのが「射程の延伸」である。
これもまあ各国共通だ。
程度の差こそあれ各国とも仰角を上げ射程の遠伸に務めている。
さてここからが国によって違う。
「なるだけ遠くの敵」に「なるだけ命中する」ように弾を撃つのは共通しているのだが「どんな弾」を「どれだけ撃つ」かとなると話が違ってくるのだ。
敵にたくさん弾を当てるには命中率を上げるのが肝要だがたくさん発射する事もまた重要だ。
その為にはどうすれば良いか?
まず誰でも考える事は砲の数を増やす事である。
この考え方にもっとも染まったのはワシントン会議直前のフランスであろう。
1916年に起工されたブルターニュ型は34p砲10門を搭載していたが次に計画されたノルマンディー型(5隻:未成)では34p砲12門に増え更に次のリヨン型(4隻:未成)では34p砲16門に増えている。
なおその後、考え方が変化したと見え第2次世界大戦直前の無条約時代ではこんな不思議な戦艦は設計されていない。
まあ無条約時代でも4連装主砲塔に固執したり前部集中配置に固執したりしており充分に変わっていたとは言えるが。

砲数を増やす以外に発射弾数を増やす方法は無い物だろうか?
ある。
発射速度を速くすれば良いのだ。
この考え方をもっとも重視していたのはドイツ海軍だと言えよう。
大和型の発射速度は毎分1.8発(資料によっては1.5発)である。
米国のアイオワ型と英国のキングジョージ5世型は毎分2発、イタリアのリットリオ型に至っては毎分1.25発だ。
これに対しドイツのビスマルク型はなんと毎分3.3発の発射速度を誇る。
ビスマルク型は38p砲8門を搭載するがその発射弾数は毎分26.4発に達し38p砲9門を搭載するリットリオ型の発射弾数11.25発を上回る。
残念ながら本ゲームでは発射速度をルール化していないので命中率などで加減するしかないが。

さて次に行って見よう。
戦艦の主敵は戦艦である。
よって戦艦の主砲は敵戦艦の装甲を撃ち抜けねば意味をなさない。
装甲を撃ち抜くには砲身長を長くし弾丸を高初速化すれば良い。
この考え方に最も傾注していたのは米海軍と言えよう。
第2次世界大戦に参加した日本海軍戦艦12隻が装備していた主砲は全て45口径砲、英海軍の戦艦20隻が装備していた主砲は13隻が42口径、7隻が45口径砲であったが米海軍戦艦27隻(アラスカ型を含む)中、12隻が50口径砲、15隻が45口径砲を装備していた。
米海軍が長砲身砲を重視してた事の証左である。
さて次に貫徹した後の事を考えてみよう。
当然、破壊力は大きい方が良い。
できれば1発で致命傷を与えるくらい大きい方が良い。
そして破壊力の大きさは砲弾の重さで決まる。
大きくで重い砲弾を発射するのは即ち大口径砲だ。
(口径を変えず弾長のみを長くしても砲弾重量は増える。だがあまり長くしすぎると矢の様になり安定性が悪くなってしまうので弾長はおのずから制限される)この考え方を受け入れたのが英海軍と日本海軍である。
まさに本家本元の大艦巨砲主義と言えよう。
かくして日本海軍は金剛型、扶桑型、伊勢型などが搭載する35.6p砲(弾頭重量673s)から長門型、加賀型などの41p砲(弾頭重量1020s)へと進み大和型の46p砲(弾頭重量1460s)、超大和型の51p砲(弾頭重量1950s)へと発達していった。
英国もまた第1次世界大戦時には46pを搭載する巡洋戦艦フューリアスを竣工させ51p砲搭載の巡洋戦艦インコンパラブルすら計画している。
なお米国は口径は大きくさせずに砲弾重量を増加させる方法を取っていた。
かつて日本海軍の重巡主砲が20p砲であった時期、この砲の砲弾重量は110s、米海軍の20.3p砲の砲弾重量は118sであった。
だが日本海軍が重巡の主砲を20.3p砲に強化(弾長の長い91式徹甲弾や1式弾が使用できたので弾頭重量が125sに増加した)するとすかさず弾頭重量152sの新型徹甲弾を開発してこれに対抗した。
戦艦用の砲弾にしても米国の新型戦艦用40.6p砲(弾頭重量1225s)は日本海軍の41p砲に較べて弾頭重量が非常に重い。
まあ大艦巨砲主義とひとくちに言っても国によって考え方は様々である。