日米空母は太平洋戦争に於ける海戦兵力の花形として活躍した。
本稿はその増勢推移に焦点をあて論述している。
まずお断りして置くが今回は両国の護衛空母(隼鷹型とコロッサス型を除く商船改装空母)については触れない。
「護衛空母の存在によって艦隊型空母の負担が軽減される事」や「状況によっては艦隊型空母の代わりに作戦行動できる事」を考えると護衛空母の存在は非常に重要なのだが、何しろ米海軍の護衛空母は数が多いので書き出すと大変だからである。
なお空母の建造推移を年度計画単位で記述する事も出来るが、今回は竣工期日と起工期日を基準に解説した。
その理由は米海軍の場合、戦前の1940年度計画(両洋艦隊計画)で予算成立したCV14(タイコンデロガ:エセックス型)やCV15(ランドルフ:エセックス型)の起工が1943年まで遅れたりしているので年度計画単位だと実相にそぐわないからである。
さて艦隊型空母だが開戦時、両国海軍の保有数は日本が9隻(鳳翔、赤城、加賀、龍驤、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、瑞鳳)、米国が7隻(レキシントン、サラトガ、レンジャー、ヨークタウン、エンタープライズ、ワスプ、ホーネット)、建造中もしくは他艦種からの改装中である艦隊型空母は日本が4隻(祥鳳、隼鷹、飛鷹、大鳳)、米国が5隻(エセックス及びCV10、11、16、17:全てエセックス型である。
これらの艦の艦名は戦没艦を踏襲した例が多く紛らわしいので、とりあえず1番艦を除きCVナンバーで記す)であった。
開戦時の日本空母 |
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赤城 |
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加賀 |
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蒼龍 |
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飛龍 |
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翔鶴 |
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瑞鶴 |
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鳳翔 |
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龍驤 |
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瑞鳳 |
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開戦時の米空母 |
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レキシントン |
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サラトガ |
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レンジャー |
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ヨークタウン |
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エンタープライズ |
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ホーネット |
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ワスプ |
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開戦時に建造中の米空母 |
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エセックス |
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CV10 |
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CV11 |
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CV16 |
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CV17 |
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当然の事だが太平洋戦争は「日本海軍の真珠湾奇襲によって幕を開けた戦争」なので日本海軍にとっては「計画的な戦争」である反面、米国にとっては「不測の戦争」となる。
よって日本海軍は開戦前から1942年内の竣工を目指して空母の建造(既存艦船からの改装)を押し進めており、開戦から1年以内に艦隊型空母4隻(改装中であった祥鳳、隼鷹、飛鷹に加え開戦後に改装着手した龍鳳)を増勢させた。
一方、「不測の戦争」であった米海軍は開戦から1年以内に1隻も増勢させられなかった。
とは言え開戦時の「真珠湾奇襲ショック」によって米海軍が空母の大量建造に踏み切った事は論を待たない。
お試し版はここまでとなります。
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